研究内容

段ボールでできるロボットを使った子供向け科学教育プログラム (略称:かみロボ教育プログラム)は、子どもたちがこれから生きる未来の社会で必要とされる力とマインドセットを体験を通じて身につけるための教材キットの開発と支援プラットフォームの形成をめざします。

エンジニア的な力
手を動かしながら身の回りの現象やものが動く仕組みを感覚的に理解し、抽象的なアイデアを形にしていくことを学びます。
デザイナー的な力
日常の中の不便やニーズに気づき、解決するためのアイデア創出・試行品づくり・フィードバックを繰り返しながら、「自分にも創造的に問題を解決できる」という自己効力感を得ます。
起業家精神
「アイデアをすぐに実現に移し、プロジェクトとして立ち上げ、社会とコミュニケーションして評価を受け、プロダクトの対価・報酬(賞金など)を得る」
というサイクルを経ることで、将来の経済的な自立につながる経験を得ます。

家庭環境や学校の状況にかかわらず、すべての子どもたちがこのような体験を通じて未来の自分に必要な力をみにつけられる学習機会を提供します。
そのため、段ボール、牛乳パック、お菓子やティッシュペーパーの空き箱など、身近にある廉価な材料を使った教材を開発しています。

本プログラムでは、このような体験を子どもたちに提供するためのツールキットとプラットフォーム、支援コミュニティ、対価・報酬を分配するビジネスモデルなどを実現する方法を模索し、実験し、その成果を測定し、研究成果としてまとめます。

自律的に進化・発展し、多様なサポートが得られるコミュニティ

従来、子どもたちの学習に使われてきた教材は、
一握りの専門家が開発し、子どもたちに「与えてきた」ものであり、一度開発された教材については、フィードバックを得ながら機動的に改善していく仕組みは存在しませんでした。

このプログラムでは、
開発された教材が自律的に進化・発展していくために、教材に対するフィードバックや改良版のアイデアなどについて、自由なコミュニケーションが行われるプラットフォームをつくります。

また、このプラットフォーム上では、
先生と子どもたち自身も教材や指導案の開発者として参加することが可能です。

特に高い評価・人気を得た教材やアイデアについては
製品化して教材のマーケットプレイス上で流通させ、作成者である先生や子どもたちに対価が支払われる仕組みも組み入れます。

また、東京大学や企業など、専門的な技術や知識、リソースを提供しつつ プラットフォームを応援するコミュニティを巻き込みながら発展していくモデルをめざします。

学科学習への応用可能性

「つくることで学ぶ」というプロセスを通じて、ビジュアル思考を得意とする子どもたちや抽象的思考や空間認識にチャレンジを感じる子どもたちなど、多様な学習ニーズをもつ子どもたちの学科学習を支援します。

たとえば
「danteフィンガー・ツールキット」を使ってできることは:

  • 関節の動きを学ぼう
  • 他の動物の指と人間の指はどう違う?
  • 人間の手にできて動物の手にできないことは何?
  • 節足動物がどのように動くか説明してみよう
  • 「2÷2/3」の計算方法とその答えを指の関節を使って説明してみよう
  • 指をつかったストーリーをつくり、英語で伝えてみよう

など、様々な分野での学びに応用出来ます。